名前の由来がよく気になる、名前は何かを具象する、漢字なんか見ててもそうで、たとえば蠅という字にはよくハエ感が出てる、こういう昔の人のセンスには感銘を受ける。
以前印刷関係の仕事をしていたときに印刷機の名前が気になってしつこく技術部の老先生に質問したら、そんなもん知るかと最後には怒鳴られた、名前がどうのこうのなんか俺は知らないんだ! こういうのは理系じゃなく文系の疑問なのかもしれない。
この会社のWINGという名前にも一応由来がある、以前飛行機に関するライティングがひと月100記事くらいあって毎日あらゆる情報にあたった、そういう時期にホンダジェットの話を知った。
自動車メーカーのホンダの本田宗一郎の夢は飛行機を作ることだったそうだ、ホンダが車で成功しても本田宗一郎は自社の飛行機を飛ばすことを夢見続けた、そのスピリットを受け継いで技術者たちはホンダジェットを完成させた。
ホンダのバイク屋にWINGという名前がついているのは飛行機の翼という意味らしい、つまり本田宗一郎の終生の採算度外視の夢だ、あのロゴも格好いい、こんな話をしてたらまたバイクに乗りたくなってきた、30になって体力的にきつくてやめたのだが。
私はこの話がすごく好きで、自分の会社の名前にとらせてもらった。空を飛ぶ夢、いい。村上龍の「55歳からのハローライフ」という短編集に「空を飛ぶ夢をもう一度」という佳作がある、空を飛ぶことは確かに人の真実の夢だ、少年の夢だ、私はそんなもんと否定しない。
確か本田翼も同じような感じでお父さんから名付けられたんじゃなかったか、そんな話をネットで見た覚えがある。