――某釣り誌に寄稿し、HP掲載の了承を得たものです――4月半ば執筆
緊急事態制限の発令に伴う自粛要請で、人が集まる釣り場には行きにくい雰囲気になっている。どうにも心が塞ぐのは、これまで、どれほど海の広大な眺めに癒しを感じていたかと改めて思わされる。釣りに行きたい、という単純な思いにここまで心が乱されている。
しかし自粛期間中にもできることはある。名づけて「Stay Home AJING」。
といって、実際に竿を振るわけではないけれど。来るシーズンに備えて道具の点検を、この機会だから普段は黙殺しがちな「より小さな道具」にも目を当てて徹底してやりたい。
■アジンガーが自粛期間中にしたい5つの道具の点検
(1)ロッドの点検
いきなり問題発見。トップガイドが微妙に錆びている。
KURE556を振ってある程度解決したが、次回実釣時、キャスト時に引っかかるようならばすぐ交換だ。
*どうやら自粛期間中、寝かせておいたせいで錆が浮いた…? 皆さんもお気をつけて。
その他、ガイドの変形などの問題はなし。
(2)リールの点検
4月、テトラで釣りの最中にリールをぶつけてしまい、2年間ピカピカだったフリームスに傷を入れてしまった。しかし、経験上、これくらいはさっさと「悟り」を開いて、気にしない気にしないと自分をラクにした方がよい。そのための廉価エントリーモデルなのだ。
けれど、そのとき何より私が最優先して確認したのが、スプールエッジの傷だ。バリでもできてしまったら、非常に細いエステルライン、PEラインを使うライトゲームでは致命的となる。幸運なことに、無傷。
過去、替えスプールが1500円程度の格安で購入できたレブロスを不注意に扱い、いくつもボロボロにしたことが、こういう事故のときにも自分の中に、「リールを守る受け身」の取り方をしみこませていたのかもしれない。
スプールエッジとドラグの回転に差し障りがなければ、タイミングによっては注油(あまり負荷のかからないアジングでは、半年に1回で充分)、リールはこの程度でいいだろう。
(3)ジグヘッドの点検
アジングだけでなく、すべての釣りで言えることとして、自論だが、実はロッドと竿の性能はほとんど釣果に関係せず、どちらかといえばラインと、何よりも「ハリ」が重要だと思う。
ハリ。アジングにおいてはジグヘッドだ。各社からいろいろ出ていて、率直なところそこまで質に差はない。今の技術のハリは、各メーカー並びで高品質だ。しかし、その分、寿命、というべきか、針先が甘くなるタイミングも変わらない。
・深い根がかりを外したとき
・アジならば20匹程度釣ったくらい
・流木などのゴミに引っかけたとき
以上、3つのあとは、必ず針先をチェックして、潔くチェンジしよう。
いや、釣り場では「当たるけど乗らないな」と思った場合、すぐに交換した方がいい。大体、そういうときにはジグヘッドケースの中にある、古い、針先の甘いジグヘッドを使ってしまっているものだ。
ジグヘッドの点検の仕方は簡単、手指の爪に針先を擦って、引っかからなくなればアウトだ。
(4)ワームの点検
ジグ単アジングのもう一つの主役、ワーム。この点検を意外におろそかにしてしまう人が多くらしい。けれどワームのような小さなものにだって値段はある。1釣行で5個潰すか失くすかすれば、300円くらいの打撃を受けるのだ。ワームを消耗品と考えてはいけない。
「刺し壊し」というべきか、針先を何度も通したせいで先端がグズグズになったワームは持って帰る。そして瞬間接着剤をほんの微量つけてやると、簡単に復活する。問題なく釣れることも確認済みだ。
私は真っ二つに割れたワームの断片が2つあれば、再生させもする。
ご覧のものは、同メーカーの1.5インチワーム。これも接着剤できれいに復活した。
フグにかじられたりしたワームもとっておこう。どんなカラーの取りあわせでも気にしない。接着剤で整形する。ハイシーズンには何色でも、多少まずい形状でも食うし、初場所で、「ここはフグがいるかもしれない」という状況でエラストマー系のワームの代わりに投げてもいい。エラストマーもフグにやられることはあるので、無駄にはできないのだ。
(5)番外編 スナップ保管・考
アジングでは使用しない人も多いようだが、個人的にスナップの保管には頭を悩ませている。
ほとんど物感がゼロのものなので、一瞬のスキで紛失する。毎シーズン、いろいろ試すのだが、実釣に使う前に風で吹き飛ばして全ロストも何度か経験した。
そこで最近は、針先のなまったジグヘッドを使って保管している。これにタチウオなどで使う大きめのスナップをつけて、そのスナップに引っかける。そしてワームケースに突っ込んでおく。必要なときに取る。
どこかに紛失しても、ご覧のように派手なヘッドをつけておけば、見つかる。水中に落としたら、まあ、どんな対策をしていても同じだから、なるべく重いものを使うべきだ。
しかしこれも、決して賢い方法とは言えない気がする――まだ模索中。
■待望の自粛期間明けの爆釣を夢見て
釣り人は自粛期間をどう考えるか。私はネガティブな捉え方はやめた。特におかっぱりでは、これは「場がしっかりと休まっている」と思えば、いつかは終わるこの状況の後の釣りに期待が膨らむ。スレていない魚が、きっといくらでも釣れてくれるはずだ。
ライトゲームの真髄を究めるべく、こんな期間にでもできることはあると思う。
後記――自粛期間明け。うまい具合にシーズンイン!
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